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実記輪読会:49巻「ベルギー総説」

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日時:2022年4月13日(水)13時~15時
場所:ZOOMによるオンライン
内容:第四十九巻「ベルギー総説」
ナヴィゲータ:冨田兼任

面積、人口、略史、政体
面積約3万km2(ほぼ九州並み、日本の1/12)、南はフランス、東南はルクセンブルグ、普領アルザス、プロイセン西部、東・北はオランダに接する、山脈・河川が国境を分かつのではなく、故に強力な陸軍が要る。
人口500万人【現在は1000万人】、気質は剛健勇敢。紀元前ローマに征服されたが、その後フランスと混血が進み、南フラマンと呼ばれた。1660年頃オーストリア領ネーデルランド(低地)、1814年ウィーン会議でオランダに統合されたが1830年独立を宣言、1831年ザクセン・コ―ブルグ公レオポルドが王位に就き、1839年各国より独立承認を得るところとなった。(日本との間では1866年修好通商条約締結、1870年在東京公使館・1873年在ブリュセル公使館開設)
政体は立憲君主制、国王の権限は、議会の招集解散、官僚の任免、軍統帥等広範囲に及ぶ【現在も立法権、行政権を有するが、一切の行為は関係大臣の副署が必要】
立法府は上院、下院の2院制【現在は上院60名、下院150名】、行政府は外務、大蔵、司法、内務、陸軍の6省で、内一人が宰相となる。

鉄道、産業、貿易、風俗
国土は平坦で鉄道建設は欧州大陸随一、幹線は官営で748㎞、支線は民営で1345㎞、合わせて2093㎞(1869年統計)
土地は粘土質で肥沃ではなく、畑が多く、フランスと似ている。工業では、製鉄業、紡織業が発達、ガラス工業、製陶業も盛ん。
主たる貿易港はアントワープのみで、主として内陸交易に依る。
言語は、南はフランス語、東南ルクセンブルグに接する地域はワロン語、東・北はフレミッシュ語。宗教はカトリック信者が多いが、他宗教も禁じてはいない。

連邦国家制【現況】
北部フランドルと南部ワロンの間で歴史的に対立してきた。為に、1963年言語境界線として、北部蘭語圏、南部仏語圏、首都両言語併用圏を設定した。
1993年の第4次国家制度改革で、国家経営所管の「連邦(Federal State)」、文化教育所管の「(言語)共同体(Community)」、地域経済所管の「地域(Region)」の連邦国家制に移行した。なお、「連邦」「共同体」「地域」の間に上限関係は無い。州は10、市区町村は589ある。

(冨田兼任記)

 

 

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