コンテンツへスキップ

実記輪読会:46巻「パリ その5」

  • by

日時:2021年11月10日(水)13:00~15:00
内容: 第四十六巻「パリ その5」
ナヴィゲーター:富田兼任

明治6年(1873年)1月19日から明治6年1月21日パリに留まり市内外各所を見学した。
パリの鉄道駅
パリの主要鉄道駅六つを紹介する。実記に関連しているのは次の四つ。
北駅:カレー方面
東駅:アルザス方面(実記は「カレーから東駅に着いた」と記すが北駅着と思われる。)
モンパルナス駅:ヴェルサイユ方面
リヨン駅:マルセーユ方面
この他に、
サンラザール駅:ノルマンディー方面、モンサンミッシェル行きもこの駅、オステルリッツ駅:トゥール方面

1月19日:フォンテーヌブロー宮殿
汽車(リヨン駅発)でフォンテーヌブロー宮殿に行く。パリの東南60km。元々は王族の狩猟宿であったが、16世紀のフランソワ一世から19世紀のナポレオン一世に至る王・皇帝が増築を重ね幾多の建築様式が残る大宮殿となった。内部は、回廊、壁、天井に始まり各部屋も装飾、調度品で絢爛豪華に彩られる。ナポレオン一世がワーテルローの戦いに敗れ将兵に別れを告げた場所でもある。
風雨激しかったため却って帰途、安臥して帰れる汽車の有難みを痛感する。

1月20日:建築学校【土木学校】、鉱山学校、リュクサンブール宮殿
土木学校は1747年設立の最古のグランゼコール(高等専門大学校)、鉱山学校は1783年設立で、エコールポリテクニーク(理工科学校)と共に最難関とされ、高級官僚、産業界経営層を多数輩出してきた。土木学校では模型、図面、鉱山学校ではフランス全土地質図、鉱物見本等の充実ぶりに感心する。
リュクサンブール宮殿は、セーヌ左岸サンジェルマン・デュ・プレの南側にある。イタリアメディチ家からフランス王室に嫁いだマリー・ド・メディシス(1753-1642年:ルイ13世の母)の居城で、使節団訪問時から国会上院議場となっていた。広大な庭園(25ha)には現在歴代王・王妃を始め文化人、自由の女神像等60体の彫像がある。

1月21日:フランス銀行
チュイルリー宮殿近くのフランス銀行に行き、紙幣製造、預金証書記録、金庫等視察。

(冨田兼任記)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です