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i-Cafe:『ウィーンに六段の調べ~ブラームスに箏を聞かせた岩倉具視の娘』

日時:2021年7月25日(日) 13:00~15:00
場所:ZOOMによるオンライで開催

第55回のi-Caféは、音楽評論家萩谷由喜子さんをお招きして、『ウィーンに六段の調べ~ブラームスに箏を聞かせた岩倉具視の娘』と題して興味深いお話を、琴の生演奏を交えながらお話いただきました。

女性音楽史や日本のクラシック音楽受容史に造詣が深い萩谷さんには、二年前のi-Caféで、ご著書『蝶々夫人と日露戦争~大山久子の知られざる生涯』に基づいて、イタリア駐在外交官夫人大山久子がプッチーニに日本の歌を紹介し、それがオペラ『蝶々夫人』に取り込まれたとの興味尽きないお話をお伺いしました。

二回目の今回は、岩倉使節団派遣150周年に合わせて本年6月に中央公論新社から出版した『ウィーンに六段の調べ~戸田極子とブラームス』に沿ってお話しされました。岩倉具視の娘極子が嫁いだ最後の大垣藩主戸田氏共は、明治20年オーストリア・ハンガリー特命全権公使としてウィーンに赴任、その折ブラームスの所望で極子が、箏曲「六段の調べ」を面前演奏したとのお話でした。

ブラームスの遺品の中から友人で極子の音楽教師でもあったボクレットが「六段の調べ」「宮さん宮さん」など5曲を採譜して出版した「日本民謡集」が見つかり、「六段」にはブラームス自身の書き込みもあったことから、ブラームスが本楽曲に大変興味を持ち、最初のモチーフがクラリネット五重奏曲の2楽章に影響を与えたのではないかと音源を使って解説されました。

あの時代に日本女性が鹿鳴館や海外で溌溂と活躍してたことや、ジャポニズムが絵画だけではなく、音楽にも及んでいたとのお話は新鮮でした。

萩谷さんが前日のリハで「六段の調べ」は録音より生演奏の方が良さそうと思いつき、当日は和装で琴を奏でながらのレクチャーになったのは、嬉しいサプライズでした。ブラームスも聴いただろう「宮さん宮さん」については、i-Café Singersが予めリモートで収録したものを、ご披露しました。

今回は40人を超える参加者で賑わいましたが、ZOOMでもかなりのことが出来るとを体験できて、長引くコロナ禍下での活動展開に希望が湧いたのは幸いでした。

萩谷さんが、i-Caféにご出講されたことを自身のブログに下記の通り詳述してくださったので、下の緑色の文字をクリックしてぜひご一覧ください。

米欧亜回覧の会 i-Caféに『ブラームスに箏を聴かせた、岩倉具視の娘戸田極子』の演題でズーム出演させていただきました。 : 萩谷由喜子のブログ (livedoor.blog)

(岩崎洋三記)

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