コンテンツへスキップ

GJ研究会:「国際社会から見た日本と今後の進路」

  • by

グローバル研究会:5月部会報告
日時:平成29年5月20日(土)13:30~16:30
場所:国際文化会館401号
演題:「国際社会から見た日本と今後の進路」

講師:佐野利男氏
プロフィール:
1977年 東京大学法学部卒、同年外務省入省
1990年 在インドネシア日本大使館一等書記官、
2001年 軍縮会議日本政府代表部公使、
在サウジアラビア日本大使館公使、
2010年 駐デンマーク特命全権大使、
2013年 軍縮会議日本政府代表部特命全権大使、
2017年 依願免
著作:「変貌する世界のエネルギー・環境政策とIEA中期戦略」

エネルギーを巡る最近のロシア事情(上)(下)、他

講演要旨 文責:塚本 弘
40年の外務省勤務を終え、表現の自由を味わっている。以下は、すべて、私見である。
Ⅰ.世界と日本のギャップ

世界は日本を大国と見ているが、日本人は小国意識が強い。このため日本人は国際情勢に無関心になり勝ちである。国際的な責任を十分に果たすべし。

2. 国連についての過剰な評価。国連の決定についてオーソリティを感じている。しかし、United Nationsとは連合国という戦勝国が創った組織であることを念頭に置くべし。

3.核武装についての認識ギャップ。日本には広島長崎の歴史的背景から核武装すべきではないと言う常識があるが、外国には日本は核保有国に囲まれているのだから核保有の可能性もあるもと考えている国もいる。

4.日本国内が安全で、正直者が多いから、国際社会も安全だし、正直が大事と思い込んで いる。しかし、国際社会ではお人好しは通じない。

Ⅱ.国際社会が日本に求めているもの
1   はっきりと自己主張して欲しい。
2.主体的に、責任をもって行動して欲しい。

それが国際社会で勝つために必須のことである。

Ⅲ  国際情勢     世界全体が曲がり角に来ている。

  • アメリカ
    トランプ大統領  良い面は、チェック アンド バランスが機能していること(大統領令を裁判所 が否認)、軍事面でマチス、マクマスターなど専門家に任せていること、伝統的な共和党路線にシフトしていること。ただ、奇抜なディールをする懸念がある。
  • 中国
    軍事費が28年間で40倍。しかも、透明性がなく、軍の中にも、一部には、習近平の影響力が十分に及んでいないと見られる。
  • 北朝鮮
    ハリス太平洋司令官は、レジーム チェンジは求めない、金正恩の政権崩壊は求めない、38度線を越えない、再統一を急がないなど4点について述べている。

ⅳ  今後の進むべき道

⒈リスクマネージメント
日米韓で同一歩調を取り抑止力を強めること。

⒉基本的価値
自由、民主主義、市場原理などを粘り強く主張すべき。

⒊アジアアフリカ諸国の模範国

⒋ ポール クローデル駐日仏大使(1921〜1927)の言葉
「日本人は貧しいが高貴である」

サウジアラビアの公使の際、「日本は近代化に成功したが、伝統文化も守った。どうしてそれが可能だったのか?」「日本は伝統的な価値を守るために子供たちに何をどの様に教えているのか」との質問。自分は、近代化に専念して、伝統文化は必ずしも守 れていなかったと思うが、相手は、そうは思っていないようだ。

以上

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です