日時:令和2年9月26日 13:30~16:30
場所:国際文化会館
演題:「デジタルテクノロジーとDXで変わる世界と日本」
講師:小泉 勝海氏 (会員)
参加:7人 及びzoom 14人
内容:コロナ時代にデジタル化が急速に進展した。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、全ての人々の暮らしをデジタル化技術で変革していくこと。音楽界では、DXで聴き方、稼ぎ方が大きく変わった。UberやAirbnb もDXを通じて発展した。GAFA(グーグル、アップル、フェースブック、アマゾン)は絶え間ないDXを続けて巨大企業に進化した。日本はDXに遅れている。菅内閣の目玉の一つがデジタル担当大臣。中国のBATH(バイドウ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)も急発展。GAFAとマイクロソフトが市場を独占する懸念も高まっている。日本が世界に提示する未来社会のコンセプトは「Society 5.0」。これによって、経済発展と社会的課題の解決を目指す。日本のデジタル競争力は63カ国中23位。
以上のプレゼンを踏まえ、活発な議論が行われた。
今回のコロナでは、諸外国に比べ、日本の給付金の支給が遅れたが、これは、何といってもマイナンバーと銀行口座が連結していないことが最大の理由。デジタル化を進めるためには、こうした基本問題を、国がきっちりと改善することが大事。(GAFAやBATHに、日本は遅れをとって、属国になってしまうのか)ユニクロの柳井氏は、「そんなことはない、我々はこうしたデジタル技術を使いまくればいい、そのうえで、独自の製品を売ればよい」と言っている。
ダイキンのエアコンなども世界で売れている。これだけデジタル化が進むとセキュリティーがとても重要。日本のデジタル化で、「2025年の壁」の問題が指摘されたが、最大の問題は、それぞれの会社が自社技術に固執すること、これからは、オープンソースを使って開発する方がいい。日本がGAFAに追いつこうとしても無理なので、独自の分野を目指すべき。
5Gでは、日本は国土が狭いが故に、効率的に整備できる、ブロックチェーンも分散型なので、GAFAに対抗しうる。(中国のような専制主義では技術進歩が進まないと言われてきた。技術革新をどう考えるか)中国では、AI、ブロックチェーンなどを集中して開発しており、共産主義とはあまり関係がない。しかも、アメリカで発展した技術は、ほとんど独自で同じようなもの(Uberに当たるものが滴滴)を作ってしまう。日本は、タクシーなど規制が多く、Uberなども、取り入れられていない。
GAFAのトップは皆さん若い。岩倉使節団のメンバーも皆若かった。岩倉が46才、大久保は41才。ソニーも井深さんや盛田さんが30代のときに飛躍した。日本もこれから若い世代の活躍できる国にしていかなければならない。(デジタル化が大事なことは分かるが、それが、人間の幸せに繋がらないといけない。今、格差は拡大し、SDGsも実現しなければならない。こうした課題にどう取り組むか。)難しい問題だ。政府も携帯代金を下げる、最低賃金を上げるなどに取り組んでいるが、まだまだ不十分だ。ただ、諸外国に比べると日本の格差はそれほどひどくない。(日本の若者にもっと尖った発想をしてもらうには、教育を変えないといけない)その通りだ。(日本は絶望的ではないか)絶望的とは思わない。日本文化、技術の高さなど「日本力」はまだまだ優れている。文化、芸術などもITとうまく結びつけることにより、発展していく可能性がある。日本のお弁当も、外国人から評価されている。コンビニも、アメリカで、日本のやり方でやったら、大成功した。
(文責 塚本 弘)