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GJ研究会:「日本の人口問題」

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日時:令和2年7月18日 13:30~16:30
場所:国際文化会館404号室及びZOOMによる開催
内容:日本の人口問題
講師:三島研一(会員)

三島さんからの説明
明治初めの日本の人口は3400万人ぐらいで、今の1億2600万人の4分の1。しかし、少子高齢化のため、2050年には、9700万人と予測されている。ローマクラブでは、人口爆発を問題にし、成長の限界が唱えられたが、今は、人口減少が日本の危機。若い人に子供を育てやすい環境をどう作るか、移民をどこまで受け入れるか、労働力不足をIT、ロボットなどの活用により、いかに対応するかなど、臨調のような組織を設けて、検討すべきではなかろうか。

これを踏まえて、以下のような議論があった。
ー日本の将来、人口はどのぐらいが望ましいか、ある程度のコンセンサスが必要ではないか。

ー世界の人口は、アフリカなど増えており、この問題も考えるべき。日本の将来をどう考えるか。楽観論で考えるか、そうではないのかも重要。

ー臨調というアイデアだが、フランスでは、子育てに思い切った補助をして、人口増加に成功している。また、この問題は、人生における生きがいをどう考えるかという基本問題でもある。

ー日本財団の各国の若者の意識調査では、日本の若者が一番将来に対し、悲観的。こうした状況も変えていかないと人口は増えない。

ー人口減少の危機は、ある意味でチャンス。イノベーションの力でこれを克服すべき。今こそ、日本力を発揮すべき。

ー若者の実態を、もっと把握すべき。平和で豊かな時代で、若者は、結婚への気持ちが強くない。

ー人口は8000万人ぐらいでいいのではないか。老人が若い人をどうやってサポートするか、考えるべき。

ー日本はアジアからの移民なしにはやって行けない。どういうように、アジアと共存するかを考えるべき。

ー日本という国をどう考えるか。江戸時代は、藩が中心。今のグローバル企業にとっては、世界が活躍の舞台。

ー単純労働としての移民はある程度制限してはどうか。

ー群馬県大泉では、ブラジル人が多いが、今は、うまく共存している。自治体、市民の努力が大事。

ーこの問題は、日本の将来、何を目指すかにかかわってくる。安い外国人労働力を使った結果、後遺症に悩んでいるアメリカ、ドイツなどと同じ道を歩むべきではない。ウルグァイのムヒカ大統領のように、GDPの拡大を追い求めるのではなく、「小さな幸せ」を求めるのも重要。

ー「子供を生み育てる」ことをどう考えるか。子供を産んでも、女性のキャリアをストップさせることはなくなりつつあるが、依然として、家庭で育てるか、保育園で育てるか、悩ましい。デンマークの保育園のように、子供の自主性を育んでくれるようなところだと、預けてみたい。

ーコロナの中で、近所を歩くことが多い。若い夫婦が小さな子と遊んでいる姿を見ると羨ましくなるほどだ。子育てほど素晴らしいことはない。早稲田塾で、明治以降の日本人60人を取り上げて、その人生を振り返ったが、多くの人が、祖父、祖母、先生などから影響を受けている。子供は崇高な存在。子育てこそ、大事な仕事。

ーコロナ時代の自分の経験では、イギリスの孫が今日本に来ているが、あちらに帰れない。iPadで、授業を受けており、今や、ボーダーレスな時代。

ー世界の人口問題を考えると、中国は、一人っ子政策で、人口爆発を防いだが、今は、人口減少という新たな課題に直面している。(文責 塚本 弘)

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