日時:令和元年5月26日 14:00~17:00
場所:四谷「サロンガイヤール」
第1部:映像とお話
①映像:DVD「岩倉使節団の米欧回覧」第7章小国の知恵から「ベルギー」
②お話:門司健次郎氏(元カナダ大使)
以下の文章は門司氏のFB <https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=147662226369866&id=100033782686891>
からの転載です。
26日岩倉使節団の米欧回覧実記を読み解く「米欧亜回覧の会」で、ベルギービールの講演とテイスティングを行いました。岩倉使節団は、1873年2月に8日間ベルギーを訪問しています。当時のベルギーは独立後40年強の若い国でしたが、欧州でも先進の重工業国であり、使節団は、製鉄所、ガラス工場、ブリキ工場始め多くの工場を視察しました。一行は、その前に訪問した米、英、仏の大国の力に感心しつつも、ベルギー、オランダの両国について、小国にもかかわらず、自主の権利を有し、経済や貿易で力を発揮していることに感心しています。大国と日本との文明度の落差を痛感し、極東の小国日本の姿をヨーロッパの小国と重ね合わせ、そこに模範国としての可能性を見ていたとも解されます。
ビールについては、英国でビール工場を視察し、「欧州でビール醸造が盛んなのは英、独、オーストリア及びベルギーの各国であり、それぞれ努力している。我々が見た工場の広大さを見ても、この産業がいかに盛んかがわかるというものである。」としています。
ベルギーはビールの博物館と言われますが、それは、銘柄の多さではなく、様々な異なるタイプのビールが醸されているという多様性によるものです。私は2回のベルギー勤務で25カ所の醸造所を訪ね、420種類のビールを味わい、ベルギービールの虜になりました。
ベルギーという国とベルギービールの魅力についての講演の後、プロのソプラノ歌手によるミニコンサートを挟み、試飲に入ります。ベルギービールの多様性を伝えるべく7種類のビールを用意しました。タイプとしては、白ビール(フーガルテン)、ランビック(ボーン・クリーク:桜桃ビール)、ベルギー・エール(デ・コニンク)、地域特別ビール(ラ・シュッフ)、強い黄金エール(デュベル)、トラピスト(シメイ・ブルー)、ランビック(ボーン・グーズ)です。
スレーワーゲン在日ベルギー大使のご厚意で、2種類のランビックを協賛いただき、自然発酵ビールという最もベルギーらしいビールも味わうことが出来ました。全て上面発酵のエールタイプであり、ピルスナータイプとの大きな違いはその香りと複雑な味にあります。ギンギンに冷やすことはせず、それぞれに適温があり(今回は、6~8℃、8~12℃、12~16℃の3つ)温度調整に苦労しました。ベルギービールの美味しさと幅の広さがよく分かったと参加者の皆さんには大変好評でした。
ベルギービールの文献、ポスター、専用グラス、Tシャツ、ラベルのコレクション、飲んだ記録等も持ち込みました。ネクタイは、ラ・シュッフの小人柄とホップ柄。まだ日本でベルギービールがよく知られていなかった90年代前半にその普及に力を入れましたが、その頃の雑誌(東京人)の記事(文章は藤田千恵子さん)もお見せしました。
ベルギービールの後は、持ち込んだ日本酒の一升瓶を味わってもらいました。好みの純米酒を考えていましたが、季節外れの真夏日に、「紀土 純米吟醸 夏の疾風」を買ってしまいました。福島県喜多方市小原酒造のもろみにモーツァルトを聴かせて醸した蔵粋シリーズ2本の持ち込みもあり、日本酒の宣伝も出来ました。
以上
第2部:ミニコンサート ~5月は歌が溢れ~
♪ モーツァルト 『5月の歌』
♪ ブラームス 『5月の歌』
♪ フォーレ 『5月の歌』
♪ シューマン 『美しき5月に』
♪ 『Ein Prosit 』 など乾杯の歌
☆ ソプラノ:
森美智子(東京藝術大学卒業・同大学院修了、共立女子高校講師、二期会会員)
武藤弘子(武蔵野音楽大学卒業、ワシントン大学院修了、鎌倉女子大学講師、二期会会員)
☆ ピアノ:
植木園子(東京藝術大学別科修了、武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了)
☆ 合 唱: i-Café Singers(会員/畠山朔男Tr.岩崎洋三Tr.吉原重和Br.西川武彦Bs.相楽敏夫Bs.)
第3部:交流会