日時:2018.11.18 14:00~17:00
場所:西荻窪 スタジオ&ギャラリー「響」
内容:i-Café-musicアメリカ編Ⅲ
第一部映像とお話では、DVD「岩倉使節団の米欧回覧」のボストン訪問部分を見た後、静岡文化芸術大学教授奥中康人先生に『和洋折衷歌謡、苦難の歴史』と題して、明治期の西洋音楽導入の諸問題を語っていただいた。奥中先生には2016年6月、20周年記念シンポジウムのプレ・セミナーで『岩倉使節団と西洋音楽~国家と音楽』をお話いただき大好評だった。再登場の機会を窺っていたが、今回ご多忙の中を浜松からお越しいただけたのは光栄だった。
先生は、『国家と音楽』(2008年サントリー学芸賞)や『和洋折衷音楽史』(2014年)等のご著書を踏まえて、今回は『明治期の唱歌は「日本のうた」の原点ですが、実は、「西洋のメロディ」と「日本語の歌詞」の危ういバランスの上に成立しています。そもそも、西洋のメロディは、日本語と相性が良いとは言えないからです。このような視点から、近代日本の「和洋折衷」スタイルの音楽の歴史 ―― 唱歌からロックまで ―― を振り返りたいと思います。』と前置きして、借用した西洋メロディーに日本語を当てはめることから始まった西洋音楽導入が、滝廉太郎に至って日本語歌詞にマッチした独自の作曲をするまでの苦難の歴史をパワ―ポイントを駆使して明解に語って下さった。
第二部:♪ミニ・コンサート♪では、新年会で『オペラ座の怪人』等を歌って聴衆を魅了した元劇団四季の主役ソプラノ中澤孝子さんに、奥中先生のレクチャーに合わせて『日本に根付いた西洋音楽』と題して、瀧廉太郎の『組曲四季』や庭の千草(The Last Rose of Summer)等を植木園子さんのピアノ伴奏で熱唱して頂いた。
i-CafeSingersも戊辰戦争で歌われた品川弥二郎作詞、大村益次郎作曲と云われる『宮さん宮さん(トンヤレ節)』や日本最初のワルツ『美しき天然』などを披露した。
第三部:交流会では、シカゴ在住の村井智恵会員も参加してくれて、大いに盛り上がった。(岩崎記)
当日のプログラムはこちらから。